生活保護のお金はどこから支給?リアルな実態をわかりやすく解説!

ここ数年余りですっかりおなじみになった「生活保護制度」。

世の中一般に生活保護制度という存在が知れ渡ったターニングポイントは、2012年にお笑い芸人の「次長課長」河本さんが、当時年収5000万円とも言われていたにも関わらず、実母を扶養することなく、生活保護を受けさせていた事実が明るみになったことでした。

その後、複数の芸能人の間で同じような行為が表沙汰になり、「生活保護の不正受給」における事象が社会問題ともなりました。

ここでは、生活保護とは一体どのような目的で存在し、どのような内容の制度であるのかを見ていきたいと思います。

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生活保護法の位置づけ

普段、普通に生活していると「生活保護法」という制度に触れることはなかなかありません。

ここではまず、生活保護法という法律がどういった位置に存在しているかを見ていきたいと思います。

※法律等のイメージ図

図のようなイメージで、ピラミッドの下にいけばいくほど、より具体的な決まりが書いてあるものになります。

憲法では難しい文字の羅列でよく理解できない文言が多いですが、ガイドラインではそうしたことは少なく、より具体的に「こうしない」「ああしなさい」という内容が記載されています。

 

生活保護法の全容

「生活保護法」の条文は合計で86条あります。

具体的にどのような内容の法律が記載されているのか?特にポイントとなる条文に絞ってご紹介していきたいと思います。

生活保護法【第1条】

こちらが生活保護法の最初の一歩である”第1条”の条文です。

まずは生活保護法とは何のために存在しているのか?という「目的」が記載されています。

ここで、「日本国憲法第25条に規定する理念に基づき」とありますが、まずはこの「理念」が分からなければ生活保護法の目的をつかめません。

 

日本国憲法第25条に規定する理念とは?

憲法では、こちらの理念のことを「生存権」と定義しています。

この「生存権」という名の理念に基づき、生活保護法の目的は定義されていたのです!

 


 

生活保護法【第2条】

第2条では、日本に住むすべての国民は「要件さえ満たしていれば」無差別平等に生活保護を受けられる!

ということが記載されています。

 


 

生活保護法【第3条】

「健康で文化的な割いて限度の営み」って、これよく小学校で習いましたよね。

要するに生活保護での生活は、「健康で文化的な割いて限度の営み」が国で保障されているというワケです。

 


 

生活保護法【第4条 1項】

こちらは、「まず使えるモノや、使える能力、そういったものがあったら使ってからじゃないと、生活保護は受けさせてあげないよ~」という事が記載されています。

 

利用しうる”資産”とは?

「持ち家・自動車・高級時計・生命保険金や解約返戻金」

こうしたモノが”資産”としてみなされます。

 

”能力”とは?

”能力”とはようするに、働けるからだがあるのであれば、しっかりと働こうとしてください。就職活動をしてください。そうして能力を最大限に活かして頑張る中で、生活保護が受けられますよ。

という意味合いです。

 

その他あらゆるものとは?

”その他あらゆるもの”の例の一つとして、家族からの援助が挙げられます。

親族や家族に要保護者(生活保護にかかりたい人)を助ける意思がある場合は、生活保護受給の要件を満たさないという意味合いです。

 

生活保護法【第4条 2項】

こちらの「扶養義務者の扶養」とは、扶養義務者が要保護者(生活保護にかかりたい人)を扶養できるのであれば、生活保護よりも何よりも優先して、扶養してあげなさい。というものです。

次長課長の河本さんはじめ芸能人の親の生活保護問題で話題になった方たちは、この「保護の補足性」に反していると捉えられたのです。

ちなみに「生活保護法第77条」では、この扶養義務を怠った扶養義務者に対して、「扶養できるお金あるんだったら最初からだしてよ!」と、その費用の全部又は一部を、扶養義務者から徴収することができるとあります。

さらには、福祉事務所の判断いかんで、福祉事務所側が家庭裁判所に「扶養義務者の扶養を求める手続き」ができるという旨も定められています。

 

生活保護の申請をすると、まず絶対的な扶養義務者である親、兄弟姉妹、子供、配偶者に照会が行われます。

これを「扶養照会」と言います。

「扶養照会」は綿密なもので、源泉徴収票を添えて返信するように求められます。もし「扶養照会」を無視して返信しないと、取引のある金融機関などへ資産調査が入ることがあるともいわれています。

 

※ちなみに扶養義務は3親等以内の者まで負わせることができます。

【3親等】

『直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる』

(民法:第877条)

 

そして、「ほかの法律に定める扶助」とは、生活保護法以外で定められている”法律の扶助”のことです。

例を挙げますと、

1 身体障害者福祉法
2 児童福祉法
3 知的障害者福祉法
4 老人福祉法
5 売春防止法
6 災害救助法
7 農業災害補償法
8 結核予防法
9 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
10 伝染病予防法
11 らい予防法の廃止に関する法律
12 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律
13 公害健康被害の補償等に関する法律
14 盲学校,聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律
15 健康保険法
16 厚生年金保険法
17 恩給法
18 各共済組合法
19 雇用保険法
20 労働者災害補償保険法
21 国民健康保険法
22 国民年金法
23 老人保健法
24 介護保険法
25 児童扶養手当法
26 特別児童扶養手当等の支給に関する法律
27 児童手当法
28 戦傷病者戦没者遺族等援護法
29 未帰還者留守家族等援護法
30 引揚者給付金等支給法
31 自動車損害賠償保障法
32 墓地,埋葬等に関する法律
33 自作農維持資金融通法
34 母子及び寡婦福祉法
35 母子保健法
36 学校保健法
37 生活福祉資金

以上のような法的な扶助のことです。

一言でまとめますと、「生活保護制度以外の法制度で、要件に当てはまって使える制度があったら、まずそっちを使ってちょうだいね!」という事です。

 

ということで、これら他の法制度で活用できるものがあるにも関わらず、「手続きがめんどくさいから生活保護ちょうだい!」という流れは、生活保護の性質上認められていないのです。

 

ちなみにこのことを、「他方他施策の活用」といったりします。

 

生活保護法【第4条 3項】

この生活保護法第4条の3項は、「第4条の1項と2項でいろいろ厳しく条件言っちゃったけど、緊急の場合は保護かけるから安心してね!」という意味合いです。

行き倒れたりなんだりで、”ただちに生活保護を活用しないと「生存権」が守れなくなってしまう時”、こうした時が緊急の場合という事態になります。

※窮迫した事由(緊急状態)を脱したら、1項や2項が再び適用要件となります。緊急事態ではなくなったら、ちゃんと活用できるものや能力は活用してね、ということです。

 


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生活保護法【第8条 1項】

”基準”とは、大まかに言うと、「国が決めた生活保護費の支給額の基準」すなわち「最低生活費」のことです。

 

ちなみにコチラ↓↓

※この決められた「基準」に沿って、要保護者(生活保護を受けたい人)それぞれの生活保護費が決まってきます。

ようするに、「生活保護費は国が決めた最低生活費に沿って、その基準の収入に満たない人には、満たない分だけ支給しますよ!」という意味合いです。

 

言い換えると、「生活保護費とは、国が決めた、国民が最低限度の文化的な生活をするための最低生活費に対して、収入がその額に満たない人に対して支給されるもの。」ということなのですね。

 

「生活保護を受けられる場合」と「生活保護を受けられない場合」

【受けられる場合】

 

【受けられない場合】

近年、社会現象になっている「ワーキングプア」と呼ばれている人たちも、アルバイト代の額が、最低生活費を下回っていれば、基準に満たない分のお金は生活保護費を支給してもらえるということです。

加えて、年金受給者も年金額が、最低生活費を下回っていれば、基準に満たない分のお金は生活保護費を支給してもらえるということです。

 

生活保護法【第8条 2項】

「国が決めた生活保護費の支給額の基準」は、「年齢」「性別」「世帯構成別」「所在地域別」で異なった設定がされていますよ!という意味合いです。

 

※「性別」とありますが、男女によって支給される生活保護費の額に変動が生じるというわけではなく、生活保護法の扶助の中でも、女性だけしか受けられない扶助(出産扶助など)がある事を指しています。

 


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生活保護法【第11条 】

生活保護!生活保護!と世間ではひとくくりに言われていますが、「生活保護」とは「生活扶助」「教育扶助」「住宅扶助」「医療扶助」「介護扶助」「出産扶助」「生業扶助」「葬祭扶助」、これら8種類の扶助の総称のことです。

 

ただ、定期的に毎月決まって”現金”支給される扶助は、この8種類の中で「生活扶助」と「住宅扶助」だけです。

他の扶助は、生活の中で必要な時にのみ支給を受けることが出来ます。

 

ポイント

ここで押さえておきたいのは、俗にいう「生活保護費」とは、「生活扶助費」「住宅扶助費」を合わせたものとなります。

ネットで「生活保護もらったった!」など書いてあるのを見かけますが、そこでいう「生活保護費」とは、つきつめれば「生活扶助費」と「住宅扶助費」のことなのです。

 

※ちなみに生活保護費にまつわる、税の支出の大半を占めるのが医療扶助。

「医療扶助」は現金で支給されるものではなく、通院先の病院に実施期間(行政)が代わりに病院代や薬代を支払ってくれるという扶助です。

※医療券・・福祉事務所のケースワーカーに、この医療券をもらい病院へ保険証代わりに提出することで、その病院でのすべての医療費がタダになります。

10割負担の病院代の全額に対して、病院から実施機関(行政)に請求がいき、実施期間(行政)は病院に対して全額支払うので、それはそれは国の負担金額が膨大になるのは当然ですね!

 

【各種扶助の詳細】

①生活扶助

国が定めた「生活保護基準額表」に従って、支給額が確定する。

※食費・衣類費・水光熱費など


②教育扶助

※義務教育にかかる授業料等の費用(給食費や教科書代も)

※高校は2010年に「高校授業料無償化」がスタートしたので元々無料ですが、教科書代などの費用に関しては「生業扶助」を受けることでまかなう事ができます


③住宅扶助

※住まいにかかる費用(家賃)

※地代は支給無し


④医療扶助

※病院代、薬代


⑤介護扶助

※介護保険料

※介護サービスを受ける際の費用


⑥出産扶助

※出産にかかる費用(分娩費用・入院代・衛生材料代)


⑦生業扶助

※技能習得費(就職するために必要とする資格取得・技能習得費用)(ヘルパー取得、防火管理責任者取得、食品衛生責任者取得、運転免許取得も可能)

※高等学校等就学費(教科書代など、高校入学から卒業までに必要な学費)現在は高校無償化

※就職支度費(就職のため必要になるスーツ代や靴代などの購入費用)


⑧葬祭扶助

※葬祭費(遺体の運搬費・火葬費または埋葬費・納骨費など)

 

生活保護法【第19条 1項 】

この条文では、実施期間(行政)に対して、「こういう人が生活保護の相談に来たら、生活保護を受けさせてあげなさいよ!」という内容が記載されています。

 

【一.その管理に属する福祉事務所の所感区域内に居住地を有する要保護者】とは?

➞アパートに住んでいるが、仕事も辞め家賃も払えず経済的に著しく困窮し、最寄りの行政に生活保護の相談にきた人

☆こうした方に生活保護を実施することを「居住地保護」と言います。

 


 

【二.居住地がないか、又は明らかでない要保護者であって、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの】とは?

➞家がなく経済的に著しく困窮した、いわゆるホームレス状態で、行政に生活保護の相談にきた人

☆こうした方に生活保護を実施することを「現在地保護」と言います。


 

生活保護法【第19条 2項 】

例えば、東京都に住まいがあることが明らかな要保護者(この場合は道端で倒れた人など)が、埼玉県内の路上で倒れて入院、しかもその人は無一文!

といった場合に、1項2項の規定はひとまず置いておいて、その人が入院している埼玉県内の病院の最寄りの行政が生活保護を実施してあげなさい!といったところです。

 


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生活保護法【第24条 1項】

役所は、生活保護の申請があった場合には、「その結果」を、書面をもって通知しなさいね!という意味です。

※参考:保護決定通知書

 

生活保護法【第24条 2項】

役所は、生活保護を「決定した理由」をちゃんと書いてね!という意味です。

 

生活保護法【第24条 3項】

生活保護支給が決定するまでは、14日~30日かかるという意味です。

 

生活保護法【第24条 4項】

申請者側は、生活保護申請から30日以内に、役所から何も音沙汰なかったら、生活保護の申請は却下されたとみなしてください、という意味です。

 


 

生活保護法【第25条 1項】

生活保護申請を受けた役所は、申請者が緊急状態にあるときは、調査うんぬんしていないで、すぐさま生活保護の開始をしなさい!という意味です。

 


 

生活保護法【第26条】

「働いて収入を得たり年金をもらったり」、「なんらかの収入を得られるようになり」、「収入が最低生活費を上回った場合」、「親族が扶養することになったり」、保護の必要性が無くなった場合には、役所は必ず、書面をもって生活保護の停止、廃止を通知しなさい!という意味です。

 


 

生活保護法【第27条1項】

役所の職員は、生活保護者に対して、当たり前に必要な指導や指示をしてよいという意味です。

 

生活保護法【第27条2項】

役所は生活保護者に対し、明らかに実現不可能で、現実実のないものは能力不活用で指示指導が出来る、という意味です。

 

生活保護法【第27条3項】

自立助長のために役所の職員が仕事を探してきても、生活保護者本人が望まなければ強制してやらせることはできない、という意味です。

 

生活保護法【第60条】

そのままの意味です。

 

生活保護法【第61条】

「収入があったとき」、「その見込みがあるとき」、「または収入が減ったとき」、「引っ越すとき」、「結婚や出産」、「家族と一緒に住むことになった」などは、役所に必ず報告しなさいよ、という意味です。

 

生活保護法【第63条】

生活保護を受ける際に資力(財産)があるにもかかわらず保護を受給した場合、その(財産)が現金化されたときには、返済する義務がある、という意味です。

※ただし、「交通事故にあって賠償金をもらった場合」などには、返還義務は発生しません。

 

生活保護法【第80条】

通称“80条免除”と呼ばれています。

この返還免除の判断は役所がします。

 

例えば:

就労し始めアパートへ転宅。

月初にすでに当月の生活保護費が支給されている。

月末もらった給料が、生活保護基準額を上回ったので、その月で生活保護が廃止となる。

この場合、その月の初めに支給した生活保護費の返還は免除してあげます。

という場合などがあります。

 

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